プロジェクト
かつて屋久島森林鉄道(安房森林軌道)は、山岳部の豊富な森林資源を里地へ運ぶという大切な意味を持っていました。また、山岳部には小杉谷集落など森林資源生産のにともなう島人の暮らしがあり、その生活を支える唯一の交通手段として位置づけられていました。昭和45年、屋久杉伐採が計画量を満たしたことにより、下屋久営林署の小杉谷事業所が廃止され小杉谷集落も消滅。その後も森林軌道は屋久杉土埋木搬出の一役を担っていましたが、平成21年12月、軌道周辺の土埋木生産終了に伴いトロッコによる搬出に幕を下ろしました。
「山と生活との関わり」という視点で見ると、『安房森林軌道」は屋久島の暮らしの歴史を物語る上で、貴重な「産業遺産」、「文化遺産」といえるものです。近年、屋久島は、世界遺産や縄文杉、ヤクザル、ヤクシカ、ウミガメなど、自然ばかりに注目が集まっています。屋久島を訪れた人々は、縄文杉を見るために山に登り、縄文杉を見ることで満足する。「自然とのふれあい」は人間にとって非常に貴重な体験ですが、「山と生活との関わり」という視点が、おざなりになっているような気がします。
私たち人間にとって「屋久島の価値」とは何か。「森の価値」とは何か。 私たちは、真剣に考えました。「屋久島森林鉄道」を「新たな島づくり・地域おこし」の柱として「新しい価値」を与えよう、というものです。私たちが考える5つの新しい価値をご紹介します。
屋久島森林鉄道が生み出す5つの新しい価値
1「屋久島森林鉄道」を「新たな観光資源/学習資源」としよう。
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森林鉄道に乗車して、「自然と触れあおう」
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乗務員やガイドから、「山と生活との関わりの歴史を学び、未来を考えよう」
※ 軌道周辺を、自然体験、 自然学習、民俗歴史学習等の観光/学習スポットとして整備します。
2「屋久島森林鉄道」で「観光産業を拡大」しよう。
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乗車料金収入
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森林鉄道利用による旅行客の島での滞在時間の延長効果
→宿泊日数の増加、飲食量の増加、レンタカー・バスなど交通需要の増加につながります。
3「屋久島森林鉄道」に付随する「新たな仕事」を作ろう。
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軌道周辺の自然散策や史跡散策にともなうガイド業
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乗り場周辺での飲食業展開や土産物業展開
→ 森林鉄道関連メニュー開発、森林鉄道関連グッズ開発へ繋いでいきます。
4「屋久島森林鉄道」を中心に「新たな島の誇り」を作ろう。
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島人自身が「山と生活との関わり・島の暮らしの歴史」を振り返り、
新たな「山と生活との関わり/島の暮らしの未来」を考えるきっかけにしよう。 -
「観光客のための資源」ではなく、「島人の誇りとなる資源」として位置づけよ として位置づけよう。
5.「屋久島森林鉄道」を中心に「島人の夢」を掘り起こそう。
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このプロジェクトは、ここに書かれた発想だけで進めるものではありません。
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より多くの島人がアイデアを持ち寄り、夢を語り、それを具現化させたいのです。